Rooms & Dreams Interview with Roshan Silva

この部屋を訪れた人に、
心からのリラックスを。

畳に敷かれたペルシャ絨毯、その上にはスリランカの木製テーブル。骨董の和箪笥に、フランスのアンティーク布を用いたカーテン……。異なる国のものが入り交じっているにもかかわらずなぜか、心地よさと調和を感じずにはいられない。この何とも不思議な部屋の持ち主は、ロシャン・シルバさん。東京と鎌倉でカフェを経営するほか服のデザインやアロマアイテムのプロデュースを手がけるなど独自のセンスを活かし、多岐にわたって活躍する人物だ。部屋の中にあふれているのは「自分や家族がくつろげる場所であることはもちろん、遊びに来た友人や客人を、心からもてなしたい」という彼の思想。この部屋で、日に日に大きくなる「夢」の話を聞かせていただいた。

ロシャン・シルバ
ロシャン・シルバ/カフェ・ショップオーナー、デザイナー
イタリア出身。ミラノでファッションの仕事に就いた後、11年前に来日。日本人の奥様、2人の娘さんと都内で暮らす。中目黒「La vie a la Campagne」をはじめ、鎌倉と自由が丘にてカフェ&アンティークショップを経営。自身がデザインするアパレルブランド「THE FACTORY」のほか、空間設計、インテリア、アロマプロダクトのプロデュースなど、独自のセンスを活かしながら多方面で活躍する。シルバ流インテリアやDIYのコツを紹介した著書「ロシャン・シルバの静かな生活」も発売中。
家具は基本的に100年以上前のもの ー素敵なリビングルームですが……ここ、和室ですか? そうなんです。築60年の物件をリノベーションしていて、この和室だけは、もとの造りを活かしているんです。この部屋では、家族でご飯を食べたり、友人を呼んでホームパーティをしたり。床にそのまま好きなように座れるスタイルが気に入っています。
ーいま淹れていただいたお茶、とてもおいしいですね。器も素敵です。 それはよかったです。これは、宮古島の黒砂糖と、宮崎県の農家さんが自然栽培しているショウガを入れたセイロンティーです。このカフェオレボウルも、足がついているのが少し珍しいですよね。19世紀のベルギーのものなんですよ。
ーこのテーブルも、絨毯も……置いてある家具がどれも気になります。 私の母親が生まれたスリランカのものです。ホホバの木でできているのですが、手触りがしっとりしているでしょう?スリランカでは、ここでご飯を食べたあと、この上で寝るんですって。畳に敷いているのは、パリのホテルで使われていたペルシャ絨毯。窓際の棚は、フランスの工場で使われていた靴のラックなんです。滑り止めがついているのがユニークですよね。 ー貴重なものなんですね。では、このカーテンは……? これは、フランスの古いベッドカバー。キングサイズのものを鋲でとめたらちょうどよくて。両端のレースは、19世紀フランスの手編みのものです。 ーいろんな国のものが集まっているのに、調和を感じると言いますか……居心地がいいですね。
ーいろんな国のものが集まっているのに、調和を感じると言いますか……居心地がいいですね。 アンティークが好きなので、家具や食器は基本的に100年以上前のものです。どれも手作りだからしっかりしているし、誰かが大事に使っていた形跡と味わいがあります。何の気なしに家具を置いているだけですが、歴史のある家具で統一されているから、違和感を感じないのかもしれませんね。物の価値は、値段が高いか安いかだけじゃないと思うんです。私にとっては、長く愛されてきたものであること、人の想いが込められていることが大切なのかもしれません。 ーこうした家具は、どこで手に入れているんでしょうか? フランス、オランダ、ベルギーが多いですね。食器だったら蚤の市で買ったり、家具は田舎の倉庫や解体屋さんから買って、船で運びます。日本の地方の骨董品店や古道具店を見に行くのも好きですよ。図案、布、刺繍、食器、テキスタイル……日本には、世界に誇れる美しいものがたくさんあると思います。
心からリラックスできるかどうか ーシルバさんが、部屋作りで大事にしていることって何ですか? リラックスできること、それから自然を感じられることですね。日当たりも大切だと思います。物件を決めるときにも、朝や夕方でも自然光がたっぷり入るかどうかは、見るようにしています。電気より、自然光が好きなので。それから、スリランカやイタリアでは、家に来たお客さんをまるで家族のように温かく迎え入れるんです。だからこの部屋も、訪れた友人たちが心からリラックスして、一緒に料理でも食べながら楽しく過ごしてもらえる場所であってほしいなと思っています。 ーシルバさんのカフェやショップでも、部屋でリラックスできそうな、小物やアロマグッズをそろえていますね。 やっぱり、誰でも部屋では心地よく過ごしたいですから。たとえば女の子だったら、お部屋の中をかわいくしたいでしょう?そういう気持ちのお手伝いが、少しでもできればと思っています。 ー自分の店を持ちたいという夢は、いつから持っていましたか?
カフェやお店も夢でしたが、私のもっと大きな夢は、自分のホテルを持つことなんです。これまでやってきたテキスタイル、アパレルの仕事や、カフェの飲食業やサービス業、アロマ、設計、インテリア……そういう経験を全部まとめてできる、ホテルをやってみたいんです。 ーでは、まだ「夢半ば」なのですね。 はい、まだまだこれからですよ。神戸や岡山などでもお店を出す準備をしています。それから、実は少し前に沖縄の宮古島でとってもいい場所を見つけて……そこでホテルをやろうと思っているんですよ!2年半後を目標に進めています。 ー最後に、シルバさんにとって「部屋」とは? 日本では、みんながハードに働いていますよね。レストランやお店など、外出先は人が多いし、広々した空間もあまりありません。もちろん、にぎやかでとても楽しいのだけれど、心の底からゆっくり過ごせる場所となると、やっぱり自分の「部屋」が一番です。だから、私にとって「部屋」は、忙しい時間から頭と身体を解放して、夢や将来を考えるための大切な場所。そうすることで、明日もまた夢に向かってがんばれるんです。
photo /Toru Hiraiwa text/Chihiro Komata composition/iD inc.
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