Rooms & Dreams Interview with Reiko Takeshima

部屋=わたし。今のわたしがそのまま表現されているから
居心地がいいんです。

岡山駅から路面電車にゆられ2駅。美術館や博物館が建つ川沿いの町にレトロなビルがひっそりと佇んでいる。その一室をアトリエとして利用しているのが、イラストレーター、デザイナーであり、アート制作も行うタケシマレイコさんだ。水彩画のイラストのカレンダーや、瓶のラベル、動物をモチーフにした針金アートに、コラージュ。この部屋から生まれるのは、「生活に寄り添うアート作品」の数々。多忙を極めた東京生活から一転、地元岡山に戻り、人とのご縁を大切に、ひとつひとつの仕事に丁寧に取り組む。自分色に染められたこの部屋で、タケシマさんの「夢」が、色鮮やかに描かれている。

タケシマレイコ
タケシマレイコ/イラストレーター・デザイナー
岡山生まれ。女子美術大学芸術学部を卒業後、エディトリアルデザイナー・羽良多平吉氏のアシスタントを経て独立。現在は、岡山を拠点に、フリーのイラストレーター、デザイナーとして活動。雑誌やムック本などのエディトリアルデザインも10年以上手がけている。さらに“生活に寄り添うアート”をテーマに身近に楽しめるアート作品も制作し、販売している。
http://www.reikotakeshima.com/
部屋に「遊び心」のエッセンスを ービルの一室をアトリエとして利用しているのですね。 ここは、築年数はだいぶ経っているビルなんですが、たまたま大家さんが住んでいた部屋が空いていたので、アトリエとして利用させて頂くことになりました。駅からも近く、広さも理想通りでした。歩いてすぐの所に画材屋さんがあるのも決め手のひとつです。あと、大きな川が流れているので、お散歩できていいなと思って。 ー奥の部屋がアトリエのメインですね。 はい。奥の部屋に、パソコン仕事をする机、イラストを描いたりコラージュをする机、そして大きな作業机を置いています。3つの机を近くに置くことで、例えば絵を描いてスキャンしてパソコンに取り込んだり、描いたものを大きな作業机や床に広げて乾かしてすぐに手にとったりと、仕事がしやすいです。お客様がいらした時は、作業机で打ち合わせもします。この部屋は陽当たりがいいので気持ちがいいですし、ほどよい自然光なので、イラストやアートの制作にも向いていると思います。
ー仕事のしやすさが見て取れます。普段はどのような作品を作ることが多いのですか? ロゴや雑誌、食品パッケージのイラストレーションや、グラフィックデザイン、あとは10年以上雑誌のエディトリアルデザインを手掛けています。それに加えてアート制作を続けていて、個展やグループ展で発表をしたりホームページで作品を販売もしています。 ー部屋にはタケシマさんの作品が沢山飾られていますね。 「生活に寄り添うアート」をコンセプトに、針金アートや一筆書き、水彩、コラージュ、ドローイングなどを創作しているのですが、玄関や窓際、壁など、普段目にする場所に飾っています。 この灯油のストーブは、部屋のインテリアの中でもお気に入りです。船舶用のライトを作っている会社が製造しているようで、雰囲気がありますよね。
東京から岡山へ、ご縁が繋がり今がある。 ーイラストレーターやデザイナーは幼少期からの夢だったのですか? 意識しはじめたのは中学3年生の頃からですね。気がついたら絵や工作が大好きで、高校の時に美大を受験することを決めました。実は、当時の夢は絵本作家になることだったんです。それで絵本の奥付にある絵本作家さんたちのプロフィールを読んでいたら、「デザイナーになって出版社で働いて、そこからイラストレーターで独立して、絵本作家になった」という方が多くて、「あ、それならデザインを学べばいいんだ」って。(笑) ーなるほど。美大を卒業してからは就職をされたのですか? エディトリアルデザイナーの羽良多平吉さんの事務所でアシスタントの仕事につきました。ある日デザイン専門誌を読んでいたら、羽良多さんの特集が組まれていて、ページの最後に「スタッフ募集」とあったんです。募集要項に目をやると「紅茶が好きな人」とあって。そのユーモアに魅力を感じました。その後、アシスタントとして雇われることになり。本が大好きなので、本に関わる仕事ができて嬉しかったですね。
ーそこから独立して、岡山に戻られたのですね。 はい。3年ほど、羽良多さんの事務所でお世話になり独立しました。最初は、東京の雑誌の仕事が多くて、岡山にいてもどこか根無し草のような感じでした。でも、最近では不思議なご縁に恵まれたりして、地元のお仕事が増えて来ています。この蜂蜜の瓶のラベルのイラストレーションも大切にしている仕事のひとつですし、地元の出版社が発行している書籍や、企業の広報誌などのエディトリアルデザインやイラストも手がけています。今までは、旅先やどこか遠い場所で出会う人とのご縁を求めていたのですが、地元の岡山でも人のご縁がどんどん繋がっていて、周りの方に助けられているなと日々実感します。
夢は、絵本やアート作品を通して喜びや感動を届けること ーこれから、叶えて行きたい夢は? 芸術やアートというと敷居が高いイメージがあると思うのですが、それを変えられたらいいなと思っています。私自身、アート作品から沢山の喜びや力、感動や気づきをもらって来たので、自分の作品を手にした人に、そのような想いを届けられたら幸せです。 ー絵本作家になる夢は今も持ち続けていますか? 絵本作家になることも夢のひとつです。絵本からは随分、元気や勇気をもらいました。小学校の頃に見ていた絵本も大切にとっています。幼児教室で子供と過ごす時間も、絵本作家への道に繋がっていると考えています。
ー最後に、タケシマさんにとって「部屋」とは? 部屋=わたし、だと思っています。この部屋には高いものはなくて、貰ってきたものや、自分で作ったものが多くあります。いまの自分がそのまま表現されているような気がして居心地がいいんです。無理をしていないかんじ。部屋を訪れるお客様にも「なんだか居心地がいい」と言われますね。 photo /Maki Kurahashi text/Ai Tanaka composition/iD inc.
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